「むらっちです。」
「あれ(第16話愛戦士(後編))以来ムラッチェカンパニーの名声は地に堕ちました。」
「溜まりに溜まった借金はもはや数千万を数えました。」
「田舎で帰りを待つ妻と子に会わせる顔もありません。」
「あの予言の通りになってしまいました。」
「(リンク:むらっちの未来その1)」
「(リンク:むらっちの未来その2)」
「(リンク:むらっちの未来その3)」
「ボクはとある噂を頼りにウィンダスにやってきました。」
「慈善活動家の青魔導士がいるとのこと。」
「ゴブとともに、自然を大切にしてるとか。」
「慈善活動こそ、ボクの原点!」
「そこから何か活路を見出せるはずなのです!」
「ボクはその噂のタルを見つけました。」

「お待ちしてましたよ、元会長さん。」
「う、ボクのこと知ってるんですか?」
「それと、ボクは元でなく、現役の会長ですよ?」
「そんなみすぼらしい格好で、まだ会長気取りですか。」
「ボ、ボクは・・・世界の会長になる男だ!」
「ムラッチェカンパニーはボクが再興してみせる!」
「ほほぅ・・・。」
「(なんとまっすぐに濁った目だ。)」
「(透き通った部分が少しも無い。)」
「(偽善の輝きは失っていないようだ。)」
「いいでしょう、ついてきなさい。」
「あ、ありがとうございます!」
「あなたの慈善活動のお手伝いをさせてください!」
「私は、このブブリムの地に木を植えています。」
「おお~、すばらしい!」
「しかも、獣人であるゴブと協力してるんですよね。」
「みんな、あなたのことを尊敬していますよ。」
「で、まず、どこから植えますか?」

「・・・そうですね、ココなんかよさそうです!ニョキッ!」

「うは!ゴブの頭ですよソコ!」
「うぅ~ん、美しいじゃないか!」
「またあんたかい!うちのダーリンになにすんのさ!」
「自然にやさしいだかなんだか知らないけどさ!」
「ゴブたちはみんなあんたに迷惑してるんだよ!」
「うるさいゴブめ。」

「うはwゴブさんメッタ打ち!」

「うはw苦情のゴブさんメッタ打ちでレベルアップですか!」

「あ、あなたはいったい何やってる人なんですか!」
「私は、ただブブリムに緑を増やしたいだけです。」
「っと、そろそろですね。」
「逃げるぞ、会長さん!」
「え?」
「うはwゴブさん達の逆襲w」

「はぁはぁ・・・。」
「あぶなくトレインに轢かれるところでしたよ。」

「おかげで、よ~くわかりましたよ。」
「ゴブと協力して自然を増やすだぁ?」
「あなたは、本気でブブリムに緑を望んでいない!」
「そうだ、あわよくば、ゴブを返り討ちにしてレベルアップを望んでいる。」
「違いますか?」
「そういうのを、偽善者っていうんですよ!」

「ぎ、偽善者・・・。」
「なんてすがすがしい響きなのだろう・・・。」
「そうだ、ボクは大切なことを忘れていたようだ。」
「本心からではない、うわべだけの善なる行い。」
「それこそ全て!それこそ世界だ!」
「ふふ、会長さん、その意気だ。」
「あ、あなたはいったい・・・。」
「単なるファンですよ。」
「あなたの期待は裏切りませんよ。」
「ボクは、巨大偽善組織をより巨大に蘇らしてみせますよ!」

「不意打ちと騙し打ちの名にかけて!」
「ありがとう、タルさん、ボクは一から出直してきます!」

「ジーク偽善。」

「後に、ヴァナ全土をかけた、会長の帰還劇は映画『ロード・オブ・ザ・偽善』3部作になるほどの有名なエピソードとなるのだった。」
完